中心市街地及び竹園・吾妻東部エリアにおける都市再生のあり方
1.エリア全域のまち づくりビジョン
■中心市街地
□つくばの核として,充実した都市機能を有する魅力ある都市拠点の形成
・つくば都心地区を一つの大きな モールとして捉えた都 市拠点の形成を図る。
・低・未利用地の 有効活用に より,にぎ わいを生み出す 都市機能の導入を図る。
・つくば駅を拠点 とした交通 アクセス機能 の強化等によ る,交通拠点性の向上を図る。
□筑波研究学園都市の玄関口としてふさわしい,風格ある街並みと,良好な都市環境
の形成
・景観誘導の実 施により, つくば都心 地区の特徴 ある良 好な景観の保全・育成を推進する。
・優れたデザイ ンの建築物 や公共空間 等の既存ス トック や低・未利用地等を活用し,つくば都心地区の特徴的な 都市環境の継承・育成を図る。
・公務員宿舎な どの景観形 成に大きな 役割を果た してい る地区について,良好な都市環境を誘導する。
■竹園・吾妻東部エリア
□充実した教育環境をいかし,文教都市の気品が漂う品格ある質の高い住環境の形成
・緑あふれるゆ とりある街 並み景観の 維持保全・ 創出を 図ることにより,魅力ある都市環境を継承し,洗練され た品格ある質の高い住環境の形成を図る。
・地区住民の高 い教育意識 に応える保 育園,幼稚 園,小 中学校,高校が集積する充実した教育環境の維持を図る。
□つくば都心地区近郊の利便性・快適性の高い生活文化地区の形成
・竹園SCを活用した地域コミュニティの形成を図る。 ・つくば都心地 区との近接 性をいかし ,都心地区 のにぎ
2.エリア内の都市再 生像
都市再生を進めるためには,エリア内の具体的なまちづくり像を示し,特徴的な都 市再生を推進する必要がある。
中心市街地及び竹園・吾妻東部エリアは,特徴的な街並みが現存し,それを継承し た具体的な都市再生のあり方を検討する必要がある。
○大通り沿いのグリーンベルトの継承
○ペデス トリアン デッキネ ットワ ークを活 用した変 化に富ん だ魅力 ある都市 軸の 創出
○緑視率の高い都市再生の実現
○歩者分離の原則を継承した安全に歩ける空間の創出 ○変化に富んだストリートの概念を導入したまちづくり
そのため,下記事項を条件とし,中心市街地及び竹園・吾妻東部エリアを6つの地 区に区分し,具体的な都市再生のあり方を設定する。
①用途地域や高度地区,地区計画などの都市計画の規制誘導が同様である箇所を 一つの地区とする。
②研究学園地区の建設の経緯を考慮して設定する。
③緑地環境や生活環境などの都市環境やその場所の持つ特徴,まちづくりの課題 が同様である箇所を一つの地区とする。
中心市街地
竹園・吾妻東部エリア
②商業業務地区
③中高層住宅地区
④中低層住宅地区
⑤生活サービス地区
■各地区の将来像
地区 将来像
① 広 域 活 性 化 地 区 (吾妻一,二丁目の 一部,竹園一丁目の 一部)
○将来像
・筑波研究学園都市,つくば国際戦略総合特区の核として,日 本及びつくばの成長を牽引する機能の集積を誘導する。また, 国際拠点としての機能を強化する。
・つくば市の核として,人が集い,にぎわい,多様な文化を楽 しむことができる空間を創出する。
・筑波研究学園都市としてふさわしい質の高い景観形成を誘導 する。
・多様な人が暮らし働ける場所となるよう,多種多様な雇用の 場を誘致する。
・エリアマネジメント等の都市運営の機能を強化し,活発なイ ベントやプロモート,マーケティングの実施などソフト面の 取組を充実させ,魅力的な空間を創出する。
○地区内の具体的なま ちづくり像
・つくば駅周辺は,広域を対象とした都市機能の導入の促進や 高度な土地利用を促進する。
・つくばエキスポセンター周辺は,筑波研究学園都市の情報発 信を強化する施設や憩いの場を提供する商業機能等の充実を 図る。
○今後導入が必要な公 共公益機能
・国際戦略総合特区やつくば市の成長に資する施設 (インキュベーション施設やサテライトオフィス等) ・交通ターミナル機能
・研究教育機関宿舎等を活用した外国人宿舎 ・サテライトキャンパス 等
○誘導の方向性
・土地の低利用や住宅のみの土地利用の抑制
・ペデストリアンデッキなどの公共空間を考慮した建築物の誘 導
・回遊性を高める環境づくり
・公共空間と連続した緑地環境の創出
②商業業務地区 ( 吾 妻 三 丁 目 の 一 部,天久保一丁目の 一部,竹園二丁目の 一部)
○将来像
・つくばにふさわしい高度な医療の提供や,筑波研究学園都市 に必要な機能の導入など,広域活性化地区を補完する機能導 入を促進する。
・筑波研究学園都市としてふさわしい質の高い景観形成を誘導 する。
○地区内の具体的なま ちづくり像
・筑波学院大学周辺は,小規模商業や業務施設,賃貸住宅など の様々な種類の住宅など,様々な用途が混合し,変化ある街 並みとする。
・つくば国際会議場周辺は,筑波研究学園都市の機能を支える 各種施設及び機能の充実を図る。
・筑波メディカルセンター周辺は医療ゾーンとして医療環境の 充実を図る。
○今後導入が必要な公 共公益機能
・国際戦略総合特区やつくば市の成長に資する施設 ○誘導の方向性
・戸建住宅の抑制や商業・業務機能の導入などの用途の誘導 ・ペデストリアンデッキなどの公共空間を考慮した建築物の誘
導
・回遊性を高める環境づくり
・公共空間と連続した緑地環境の創出
・電線地中化などつくば都心地区にふさわしい景観誘導の実施 ・エリアマネジメントの導入
③中高層住宅地区 (吾妻一,二,四丁 目の一部,竹園一, 二,三丁目の一部, 春日一丁目の一部)
○将来像
・中心市街地を支える住宅地として,ゆとりある土地利用,豊 かな緑地環境を備えた中高層の集合住宅を中心とし,一部戸 建住宅を取り入れるなど,変化に富んだ街並みを創出する。 ・分譲住宅のみではなく賃貸住宅や外国人宿舎など多種多様な
人の居住を誘導する。
・当該地区の都市環境にそぐわない高層建築物等が建築されな いよう高さ等の誘導を行う。
・都市と緑の調和を重視し,緑視率の概念を取り入れた都市環 境の創出を推進する。
・住宅地におけるエリアマネジメント等の都市運営システムを 検討・導入することで,コミュニティ形成やソフト面の取組 の強化,地域に根付いた公共空間等の管理の実施,高齢化社 会への対応など,常に魅力的な都市空間を創出する。
○地区内の具体的なま ちづくり像
・吾妻一,二丁目,竹園一丁目は,建ぺい率を抑え,緑視率を 高くした中高層住宅を中心とし,緑豊かなゆとりある都市環 境を有する高度な土地利用を図る。つくば駅から離れた街区 については,戸建住宅を一部併設するなど変化に富んだ街並 みを創出する。
・吾妻四丁目,竹園三丁目は,中層集合住宅と戸建住宅を併設 するなど,密度や高さを抑えた緑豊かなゆとりある都市環境 を創出する。
○今後導入が必要な公 共公益機能 ・街区内公園・広場(公開空地含む)
・ペデストリアンデッキ(ネットワーク不足箇所の補充) ・研究教育機関宿舎等を活用した外国人宿舎
○誘導の方向性
・低建ぺい率,高緑化率の緑豊かなゆとりある都市環境の誘導 ・電線地中化や広い最低敷地面積など質の高い住環境の誘導 ・戸建住宅のみの建設抑制等用途等の誘導
・賃貸住宅や外国人宿舎等の立地誘導
・ペデストリアンデッキなどの公共空間を考慮した建築物誘導 ・歩いて暮らせるまちづくりを前提とした環境づくり
④中低層住宅地区 (吾妻三,四丁目の 一部,竹園三丁目の 一部,春日一丁目)
○将来像
・中心市街地における低層住宅地として,緑豊かなゆとりがあ り,品格のある質の高い住環境の形成を図る。
・ペデストリアンデッキに顔を向け,歩いて暮らせる安全な都 市環境を創出する。
○地区内の具体的なま ちづくり像
・吾妻四丁目,竹園三丁目においては,広い最低敷地面積,高 い緑化率を確保することにより,他地区と異なる質の高い住 環境を創出する。
・吾妻三丁目は,商業・業務集積地区及び中高層住宅地区と多 種機能混合地区の緩衝帯として,中低層の集合,戸建住宅を 基本とした土地利用を図る。
・春日一丁目は,大通り沿いは中層の住宅や店舗,事務所等を 誘導することでにぎわいを創出し,筑波大学病院や筑波メデ ィカルセンターと接している地区北側は医療機能を中心とす る。その他の箇所は,緑豊かな戸建中心の土地利用を図る。 ・住宅地におけるエリアマネジメント等の都市運営システムを 検討・導入することで,地域住民が主体となった魅力的な都 市空間を創出する。
○今後導入が必要な公 共公益機能 ・医療機能
○誘導の方向性
・高緑化率の緑豊かなゆとりある都市環境の誘導
・電線地中化や広い最低敷地面積など質の高い住環境の誘導 ・中低層住宅地として高さや用途等の誘導
・ペデストリアンデッキなどの公共空間を考慮した建築物誘導
⑤ 生 活 サ ー ビ ス 地 区
( 竹 園 三 丁 目 の 一 部)
○将来像
・近隣住民の生活を支えるために,商業業務地区のにぎわいを 引込み,小規模商業や公共空間が中心となったコミュニティ の場となるような空間を創出する。
・中低層住宅地区の中心に位置するため,住宅地に憩いや変化 を与える多様な都市環境を創出する。
○今後導入が必要な公 共公益機能 ・交流スペース
○誘導の方向性
いような用途誘導
・電線地中化など質の高い都市環境の誘導
・ペデストリアンデッキなどの公共空間を考慮した建築物誘導 ・歩いて暮らせるまちづくりを前提とした環境づくり
⑥ 多 機 能 活 力 創 出 地区
( 吾 妻 三 丁 目 の 一 部,竹園二丁目の一 部,東新井)
○将来像
・おしゃれなレストランやカフェ,小規模商業など中心市街地 の居住者の生活サービスを提供する空間とする。
○地区内の具体的なま ちづくり像
・竹園二丁目及び東新井は,商業業務地区との回遊性を向上さ せ,機能を補完することで,居住者の生活を支える空間とす る。また,緑が比較的豊かな多様な住宅を提供する。
・吾妻三丁目は,中心市街地に不足している各種機能を補完し, 変化に富んだ都市環境を創出する。
○今後導入が必要な公 共公益機能 ・なし
○誘導の方向性
4.好ましい誘導イメージ
公務員宿舎立地街区は,変化に富んだ都市環境を創出するために,敷地形状が特殊 な街区が多く存在するため,街区により誘導すべき事項が異なることが想定さ れ る 。
誘導を行 う際には 街区ごと に具体的 な誘導 事項を示 したガイ ドライン 等を作 成す ることが必要であるが,3街区において好ましい開発誘導イメージを示す。
(1)商業業務地区
(2)中高層住宅地区
所在:吾妻二丁目 13-1,6 用途:第一種中高層住居専用地域 面積:2.9ha
(3)中低層住宅地区